最終更新日 2025年5月17日

LPIC3とは?試験概要を簡単におさらい
LPIC3は、Linux技術者認定試験の最上位レベルであり、高度なスキルと実務知識を証明する資格です。
特に大規模なLinux環境の設計・運用、セキュリティ構築、仮想化技術や高可用性構成などに対応できるエンジニアが対象となります。LPIC1やLPIC2と比べても、問われる内容の実践度と深さが格段に上がります。
※LPIC3の概要の詳細は以下の記事で紹介しているのでよかったら見てみてください!

取得できる認定と試験区分(300~306)
LPIC3には複数の試験カテゴリがあり、各カテゴリごとに専門的な認定が与えられます。
試験コード | 認定名 | 日本語 |
---|---|---|
300 | Mixed Environments | 異種環境統合(Windowsとの連携など) |
303 | Security | セキュリティ(暗号化、アクセス制御、VPN等) |
305 | Virtualization and Containerization | 仮想化とコンテナ(KVM, Docker, LXC 等) |
306 | High Availability and Storage Clusters | 高可用性とストレージクラスタ(Pacemaker, DRBD, Ceph 等) |

LPIC3の難易度はどれくらい?【2025年版分析】
LPIC3は、LPIC1・2と比較して明確に“実務力と応用力”が問われるため、難易度は高めです。
Linuxの設計・運用に精通している人でも、範囲の広さや問われ方に苦戦することがあります。特に、セキュリティ(303)や仮想化(304)は人気ですが、内容が濃く、初見では理解が難しい部分も多いです。
本セクションでは、以下の内容について解説します。

公式の合格率と難易度の傾向
LPIC3の公式な合格率は非公開ですが、体感としては30程度くらいかなという感覚です。
問題は選択肢形式ながら、実際の構築経験がないと答えられないような問題が多く、「見たことがある」知識だけでは通用しません。
▼体験談
私は300(Mixed Environment)を受験しましたが、Sambaの設定ファイルの構文やWindowsとのユーザー連携に関する詳細な設定がそのまま問われたことが印象に残っています。smb.confの書き方やIDマッピングの仕組みなど、設定ファイルや実運用での設定画面を見慣れていないと、厳しいと感じると感じました。

Ping-tとかの問題集だけでLPIC3って合格できますか?

理論だけじゃ足りないね。仮想環境で実機操作しないと厳しいよ。
※LPIC300の合格体験記は以下の記事で紹介しているのでよかったら見てみてください!

出題範囲の広さと実務経験の必要性
LPIC3の出題範囲は広く、しかもコマンドや概念を“どう運用に活かすか”という視点で問われます。
単語レベルで覚えても対応できません。設定の意図、動作の仕組みを理解していることが前提です。

実務未経験でもLPIC3って受かりますか?

ゼロからは厳しいけど、自宅で仮想環境作って毎日触っていれば可能性はあるよ。

バージョンアップによる影響(最新版対応内容)
2025年現在、LPIC3はシステムセキュリティやクラウド対応、仮想化技術の最新動向を反映した内容に更新されています。
特に300試験では、Samba 4によるActive Directoryドメインコントローラー構築や、Winbindを用いた認証連携、Kerberosによるシングルサインオン構成など、実践的かつ最新のWindows連携技術が問われています。古いテキストではSamba 3以前の内容が中心になっていることも多く、現行の要件には対応しきれない可能性があるため、最新版の教材や公式ドキュメントでの補強が不可欠です。
▼体験談
私は、Ping-tの内容だけでは新しい出題範囲に完全には対応できておらず、公式ドキュメントや対応書籍を活用して不足分を補いました。これから受験する方は、最新版対応の書籍とあわせて、公式の情報源にも目を通しておくことを強くおすすめします。

LPIC3の偏差値はどれくらい?他資格との比較
LPIC3の偏差値は、IT資格全体の中でも上位20%程度に相当する高難易度の部類です。
エンジニア系資格の中でも「実務経験が前提」「広範な出題範囲」「現状試験範囲を網羅している参考書がない」といった要因から、初学者にとってはかなり難易度高めに感じられると思います。
本セクションでは、以下の内容について解説します。
LPIC3の偏差値目安(IT資格の中での位置)
LPIC3は、偏差値でいうと60〜65前後で、いわゆる“難関資格”の領域に入ると考えています。
国家資格のように明確な偏差値が発表されているわけではありませんが、各種資格サイトの合格体験記・学習時間の統計などから推定される位置づけです。
▼体験談
私はLPIC1・2では比較的スムーズに合格できましたが、LPIC3では学習時間が倍以上かかりました。参考書も限られており、英語の公式ドキュメントを読み解く力も必要だった点で、他資格とは違う壁を感じました。

LPIC3って偏差値でいえばどのくらい難しいんですか?

感覚的には大学入試で偏差値60以上の難関大くらいのイメージかな。しっかり戦略を立てて挑めば合格は目指せるよ。
他資格との比較と難易度・偏差値
LPIC3は、CCNPやAWS SAAよりも“Linux特化の実践力”が求められる点で難易度が高いと感じる受験者が多いです。
資格名 | 難易度(目安) | 偏差値の目安 | 特徴 |
---|---|---|---|
LPIC-3 | 高難度 | 60〜65 | 実務ベースのLinux設定知識が問われ、手を動かして理解する力が必要 |
CCNP | 高難度 | 60〜65 | Cisco機器に特化、ネットワーク設計・構築・運用スキルが求められる |
応用情報技術者 | 中〜高 | 55〜60 | 理論・設計重視、記述式問題もあり、実務経験のない人には難しい場合もある |
英検2級 | 中程度 | 55〜60 | 高校卒業〜大学入試レベルの英語力が必要。リスニング・長文読解がポイント |
AWS SAA | 中程度 | 50〜55 | 初学者にも対応可能だが、クラウド基礎知識と設計理解が求められる |
漢字検定2級 | 中程度 | 50前後 | 高校卒業レベル。語彙力や熟語・四字熟語など広範囲に問われる |
普通自動車免許 | 低〜中 | 45〜50 | 運転技術と交通法規をバランスよく学ぶ必要があるが、学習時間で十分対応可能 |
LPIC3は暗記だけで通用しない構成で、仮想環境での実践を通じて学ぶ必要がある点が差別化ポイントです。

CCNPとLPIC3ってどっちが難しいんですか?

範囲の広さはCCNPだけど、LPIC3は細かい設定や構築の手順が問われるから、“やってないと解けない”点で難しく感じる人が多いよ。

難易度の感じ方に個人差が出る理由
LPIC3の難易度は、個人の「実務経験」と「得意分野」に大きく左右されます。
たとえば、セキュリティ(303)の分野に日頃から関わっている人にとっては理解が早いですが、サーバーの構築経験がない人にとってはかなりの苦戦ポイントになります。
また、LPIC3の試験では英語由来のコマンド体系やマニュアルを正確に読み解く力も必要です。そのため、非英語圏の受験者には情報収集の難しさも難易度に影響します。
▼体験談
私が300を受験した際、SambaやWinbind、Kerberos認証の基本構成は業務で扱っていたのでスムーズに対応できましたが、Active Directory連携の詳細設定やDNSとの統合、IDマッピングの仕組みについては初見で、そこだけで何十時間もかかりました。自分の業務経験が及ばない分野に入ると、学習効率が一気に下がるのがLPIC-3の難しさであり怖さだと痛感しました。

人によってLPIC3の難易度ってかなり違うんですね

そう。得意分野なら短期合格もできるけど、ゼロからだと300時間以上かかることもあるよ。


ゴリタン
インフラエンジニアとして、ネットワークとサーバーの運用・保守・構築・設計に幅広く携わり、
現在は大規模政府公共データの移行プロジェクトを担当。
CCNPやLPICレベル3、AWSセキュリティスペシャリストなどの資格を保有しています。