最終更新日 2025年5月5日

LPICとは?
LPIC(エルピック)は、Linux技術者としてのスキルを客観的に証明できる世界標準の認定資格です。
Linux Professional Institute(LPI)が提供するこの資格は、世界中で通用する中立的かつ実践的な技術認定として、特にITインフラ領域で高く評価されています。LPICは大きく3つのレベル(LPIC-1~LPIC-3)に分かれており、段階的に専門性を高めていく内容となっています。
本セクションでは以下の内容について解説します。
▼よくある質問(Q&A)

LPICってLinux初心者でも取れますか?

LPIC-1から始めればOK。基礎から体系的に学べる構成だから、独学でも十分対応できるよ。
LPICは、試験範囲がディストリビューションに依存しない設計となっており、Red Hat系やDebian系、Ubuntu系などさまざまな環境での応用力が評価されます。
LPIC認定資格とは何か?
LPICは、ベンダー中立かつ世界的に認知されたLinux技術者認定資格で、実務に直結する内容で構成されています。
LPI(Linux Professional Institute)はカナダを本部とし、1999年に設立されて以来、グローバルに認定を提供しています。LPIC資格は、Linuxの導入・運用・保守を担う技術者にとって、キャリアの信頼性を高める重要な認証です。
▼よくある質問(Q&A)

Red Hatの資格とLPICって何が違うんですか?

Red Hatは特定の製品向け、LPICはどのLinuxディストリにも対応する中立資格。応用力を見せるならLPICが向いてるかな。
LPIC認定は、グローバルで通用するだけでなく、転職市場や昇進の評価材料としても有効です。

LPICの各レベル(1〜3)の違いと位置づけ
LPIC資格は3段階で構成されており、難易度とスキルの深さが段階的に上がっていきます。
▼よくある質問(Q&A)

いきなりLPIC-2から受けてもいいんですか?

LPIC-2を取得するには、LPIC-1の認定が必須だよ。順番に取得する必要があるんだ。
それぞれのレベルは、実務レベルに対応した内容となっており、段階的に学ぶことで体系的にLinuxスキルを高めることが可能です。

LPICレベル2の試験概要と認定要件
LPIC-2を認定されるには、「201試験」と「202試験」の両方に合格し、かつ有効なLPIC-1認定を保持している必要があります。
LPIC2は、LPIが定める3段階構成の中で中級レベルに位置しており、Linuxサーバーの運用管理に必要な知識とスキルを証明する認定です。
本セクションでは以下の内容について解説します。
▼よくある質問(Q&A)

LPIC2って、LPIC1を取ってなくても先に受けることってできますか?

受験自体は可能だけど、認定を受けるにはLPIC-1が有効でないとダメ。有効期限もあるから注意だよ。
認定要件を満たすためには、LPIC1の有効期間内に201と202の両試験に合格することが条件です。順番に注意しながら、受験の計画を立てることが大事です。

試験番号とカバーされる分野(試験201・202)
LPIC2の試験は「201」と「202」の2科目で構成されており、それぞれが異なる分野で出題されます。
LPIC201 試験範囲一覧(バージョン5.0)
トピック番号 | カテゴリ | 内容の概要 |
---|---|---|
201.1 | システム起動 | 起動プロセス、GRUB、systemd、runlevel の理解と設定 |
201.2 | Linuxカーネル | カーネル構成・再構築、モジュールの管理と最適化 |
201.3 | ファイルシステムとデバイス | ext系、XFS、スワップ、LVM、RAID、マウントと管理 |
201.4 | 高度なストレージ管理 | udev、UUID、LVM、iSCSI、ストレージパフォーマンスの調整 |
201.5 | ネットワーク構成 | 静的/動的IP設定、ルーティング、ブリッジ、VLANの設定 |
201.6 | システムメンテナンス | システムログの確認、バックアップと復元、cronとatのジョブ管理 |
LPIC201試験範囲については以下の記事で詳しく紹介しているのでよかったら見てみてください!

LPIC202 試験範囲一覧(バージョン5.0)
トピック番号 | カテゴリ | 内容の概要 |
---|---|---|
202.1 | DNSサーバ | BINDの構築、正引き・逆引き、ゾーン転送、キャッシュDNS |
202.2 | Webサービス | Apache/Nginxの設定、仮想ホスト、HTTPS/SSL設定 |
202.3 | ファイル共有サービス | Samba/NFSの設定とアクセス制御 |
202.4 | 電子メールサービス | Postfix/Dovecotの構築、メール配送とスパム対策 |
202.5 | ネットワーククライアント管理 | DHCPクライアント、NTP、LDAPクライアント、OpenLDAP |
202.6 | セキュリティ | ファイアウォール(iptables/nftables)、TCPラッパー、セキュアなアクセス |
202.7 | トラブルシューティング | ログの読み取り、サービスの復旧、ネットワーク障害対応 |
LPIC202試験範囲の詳細は以下の記事で紹介しているのでよかったら見てみてください!

▼よくある質問(Q&A)

201と202のどっちから受けるべきですか?

どっちからでもOK。でも個人的には201のほうがOSの基礎を扱うから、先に受けた方が理解が深まると思うよ。
201はOS内部の制御や起動プロセス、202はネットワークサービスの構築が中心です。実務経験に合わせて順番を選ぶと学習効率が上がります。
試験形式
LPIC2の試験は、マークシート形式(選択式)で実施され、各試験は90分間・約60問出題されます。
試験は日本語を含む複数言語に対応しており、全国のピアソンVUE試験センターで随時受験可能です。
項目 | 内容 |
---|---|
試験番号 | 201 / 202(2つの試験にそれぞれ合格する必要あり) |
試験時間 | 各試験 90分 |
出題形式 | CBT(Computer Based Testing)方式・選択式(単一選択・複数選択) |
出題数 | 各試験 約60問 |
合格基準 | 約60%(非公開/問題により変動あり) |
試験言語 | 日本語、英語を含む複数言語対応 |
試験会場 | ピアソンVUE公認試験センター |
有効期間 | 認定日から5年間 |
必要な前提条件 | 有効な LPIC-1 認定資格(受験自体は不要だが、認定時には必須) |
試験費用(2024年時点) | 各試験 22,000円(税込)程度(※地域・為替により変動あり) |
▼よくある質問(Q&A)

シミュレーション問題とか記述式はあるんですか?

ないよ。全部選択式だけど、設問の読み取り力と実務知識が試される。時間配分も大事。
出題範囲が広いため、正確なコマンド知識とトラブル対応の流れを理解しておくことが合格の鍵になります。

LPIC2の受験条件
LPIC2は、ネットワーク管理やサーバー構築、トラブルシューティングを担う中堅Linux技術者向けの認定資格です。
このレベルでは、より実践的な知識とスキルが求められ、企業内でLinuxサーバーの運用・管理を任されるレベルの技術力が証明できます。
本セクションでは以下の内容について解説します。
▼よくある質問(Q&A)

LPIC-2ってエンジニアとしてどのぐらいのレベルを想定してるんですか?

中小企業のIT担当者とか、サーバー1台を自分で立ち上げて管理できるくらい。構成管理ツールも少し学ぶよ。
LPIC2は、中級〜実務レベルのLinuxスキルを証明する最も重要な段階とも言われ、LPICシリーズの中でも実用性が高く、多くの受験者が目指す目標です。
LPIC2が「中級レベル」とされる理由
LPIC2は、日常的なLinuxシステムの運用を任される技術者に求められるスキルを体系的にカバーしているため、中級レベルと位置づけられます。
試験範囲は、ネットワーク設定、DNS、Webサーバー構築、メールサーバー管理、ファイル共有、セキュリティ設定、システムのトラブルシューティングなど、現場で求められる実践的な内容です。
▼よくある質問(Q&A)

LPIC-1と比べて、そんなに難易度上がるんですか?

LPIC-1は基本操作、LPIC-2は“問題が起きたときに自分で直せるか”っていう能力が求められる。設計や運用の観点も入ってくるから、かなり実務寄りになるね。
この実務スキルに基づく出題構成が、LPIC-2を「中級者向け」と定義する根拠になっています。
LPIC2の対象者と前提条件
LPIC2の対象は、Linuxサーバーの運用管理に関わる中堅エンジニアで、受験にはLPIC1の認定が必要です。
具体的には、次のような方向けの資格です。
- Linuxサーバーの構築・運用に1年以上携わっている技術者
- ネットワークやセキュリティの基本が理解できている方
- より上位のLPIC-3や他の資格(RHCEなど)を目指す方
▼よくある質問(Q&A)

LPIC-1が切れてる場合でもLPIC-2は受けられますか?

LPIC-2はLPIC-1が“有効”じゃないと認定されない。先にLPIC-1を再取得しないとダメなんだ。
LPIC2は、認定のためにLPIC1の有効な認定証が必要である点に注意が必要です。

LPIC2の合格率
LPIC-2の難易度は中級〜上級相当で、LPIC-1よりも明確にレベルアップしており、合格率はおおよそ50〜60%程度とされています。
受験者の多くが、サーバー管理やネットワーク構築に携わるエンジニアで、ある程度の実務経験を有しています。
本セクションでは以下の内容について解説します。
▼よくある質問(Q&A)

合格率って意外と低いですね…難しいんですか?

範囲が広いからね。単なる暗記じゃなくて、構成ファイルの意味や動作まで理解しないと解けない問題が多いよ。
理解ベースの問題が中心のため、単純な過去問対策だけでは不十分で、実機での演習や構成の再現が大事です。
LPIC2が難しいと言われる理由
LPIC2が難しいと言われる理由は、出題範囲が広く、実務レベルの応用力を問われる問題が多いためです。
特に202試験では、複数のサービスを組み合わせた設定や、障害時の対応フローを問う問題が多く出題されます。
▼よくある質問(Q&A)

LPIC-1よりも明らかに難易度が上がるポイントってどこですか?

単一のコマンドじゃなくて、サーバーを構築・連携・復旧させる力が必要になるところだね。
問題文も長文化傾向にあるため、読解力も試されます。
過去の合格率・受験者の声から見る実態
実際の受験者の声では、「範囲の広さ」と「設定ファイルの記述内容理解」が難関ポイントとして多く挙げられています。
合格率は公式には非公開ですが、受験者の体感ベースでは50%前後が目安とされており、201よりも202の方が難しいという意見が多く見られます。
▼よくある質問(Q&A)

202の方が難しいってよく聞くけど、どの辺が難しいんですか?

DNSやメールサーバーとか、設定ファイルが複雑なものが多いから。しかもエラー解決まで問われるから実機検証が必須。
試験対策としては、過去問だけでなく、実際に手を動かして構築やログ分析を行う学習スタイルが効果的と多くの合格者が語っています。

LPIC2を取得するメリット
LPIC2を取得する最大のメリットは、「実務経験に裏打ちされた中級レベルのLinuxスキル」を客観的に証明できる点です。
中規模以上のシステム運用やインフラ構築を任される現場では、LPIC2の知識がそのまま活用される場面が多くあります。
本セクションでは以下の内容について解説します。
▼よくある質問(Q&A)

LPIC2って名刺に書けるくらい価値あるんですか?

もちろん。採用担当はLPIC2を“中堅エンジニアの指標”として評価してる。少なくともLinux系業務を志望するなら持ってて損はないよ。
▼知り合いエンジニアの体験談
未経験からインフラエンジニアに転職した後、LPIC-2を取得してから構築フェーズに関われるようになり、年収が50万円上がりました。
キャリアアップや転職に有利な理由
LPIC2は、運用から設計・構築へのキャリアパスを目指す際の“ステップアップ資格”として非常に有利に働きます。
求人票にも「LPIC2保有者歓迎」「LPIC2相当の知識」といった記載がある企業が多く、スキル証明として重宝されています。
▼よくある質問(Q&A)

LPIC2を持ってるだけで面接通りやすくなるって本当ですか?

書類選考の通過率が上がるのは事実。現場でも“即戦力として扱いやすい”って思われるから、評価されやすいよ。
▼知り合いエンジニアの体験談
前職では保守業務のみでしたが、LPIC2取得をきっかけに構築業務を任されるようになり、プロジェクトリーダーのポジションにも挑戦できました。

年収・求人市場での評価
LPIC2保持者は、Linuxスキルを必要とする求人において「年収500〜650万円」のレンジで提示されることが多いです。
特にサーバー構築、セキュリティ設定、トラブル対応ができる人材として、企業内でも希少性が高いため、市場価値は安定的に高い傾向があります。
▼よくある質問(Q&A)

LPIC-2を取ったからって、すぐ年収が上がるわけじゃないですよね?

即アップじゃないけど、転職の際に“スキル証明のカード”になる。実務と組み合わせて提示すれば、評価されやすいよ。
▼体験談
LPIC2を取得後、求人媒体経由で年収80万円アップのオファーを2社からもらいました。書類に資格があると反応が明らかに違いました。

他のLinux資格との比較(RHCEやCompTIAなど)
LPIC2は、RHCEやCompTIA Linux+と比べても、ディストリビューションに依存しない中立的な立場から、汎用性が非常に高い資格です。
資格 | 特徴 | 想定スキルレベル |
---|---|---|
LPIC-2 | 中立的、グローバル対応、幅広い知識範囲 | 中級技術者 |
RHCE | Red Hat向け、実技中心 | 構築・運用に特化 |
CompTIA Linux+ | 初〜中級、米国での人気高 | 基礎寄り |
▼よくある質問(Q&A)

どれを取ればいいか迷ってるんですけど、LPIC2とRHCEってどう違いますか?

Red Hat系の企業を目指すならRHCE、汎用的にLinuxを学びたいならLPIC-2って選び方でOK。迷ったらLPIC-2からでいいよ。
▼体験談
クラウド案件で複数のLinuxディストリを扱うことになり、LPIC-2の知識が役立ちました。RH系だけに縛られないのは強みです。

LPIC2の勉強方法
LPIC2対策では、「公式教材+実機環境+過去問題」の三本柱が最も効果的です。
出題範囲が広いため、書籍だけではカバーしきれない実務的な内容も多く、実際にコマンドを入力して挙動を確認する学習が重要です。
▼よくある質問(Q&A)

効率よく勉強するには、何から始めればいいですか?

範囲確認→教材選定→ハンズオン演習→過去問演習の順がいいよ。まずは公式Objectivesをチェックして、全体像をつかもう。
▼体験談
最初に学習範囲をざっくりつかんだことで、教材の取捨選択がしやすくなりました。毎日VMWAREで仮想環境を立てて、習慣化したのがよかったです。
LPIC2の合格体験記は以下の記事で紹介しているのでよかったら見てみてください!

独学・教材の選び方
独学でもLPIC2は十分合格可能ですが、信頼性のある教材選びが合否に直結します。
おすすめ教材は以下の通りです。
- 『LPICレベル2 技術解説&問題集(翔泳社)』
- 『Linux教科書 LPICレベル2(LPI-Japan公認)』
- Ping-t
▼よくある質問(Q&A)

独学って実際、きつくないですか?スクールのほうが楽そうですが…

ちゃんと教材を選べば独学で十分合格できるよ。理解できない部分はネットで調べれば、たいてい解決できるから。


ゴリタン
インフラエンジニアとして、ネットワークとサーバーの運用・保守・構築・設計に幅広く携わり、
現在は大規模政府公共データの移行プロジェクトを担当。
CCNPやLPICレベル3、AWSセキュリティスペシャリストなどの資格を保有しています。