【チートシート】LPIC 305(v3.0)頻出400語|仮想化・コンテナ・自動構築を完全攻略!

最終更新日 2025年10月17日

はじめに

LPIC-305(Virtualization & Containerization)は、LPIC-3の中でも仮想化とコンテナ技術の専門試験として人気の高い分野です。

本記事では、LPI公式のv3.0試験範囲に完全準拠し、KVM・Docker・LXD・Terraform・cloud-initなど、試験で頻出する400語以上をチートシート形式で整理しました。

実際の構築現場でも役立つ内容になっているので、学習と実務を両立したい方はぜひ最後までご覧ください。

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第1章:Full Virtualization(完全仮想化)

暗記のポイントは以下の通りです。

  • KVM+QEMU+libvirtの構成を正確に理解することが最重要。
  • virsh コマンド群(start, list, dumpxml, snapshot)は「状態」とセットで覚える。
  • qcow2とraw形式の違い、および qemu-img の変換操作を押さえる。
  • ライブマイグレーションとスナップショットの要件(共有ストレージ有無)を整理。
用語意味主な使い方や構成要素試験でのポイント
Hypervisor仮想マシンを管理するソフトウェア層Type1(ベアメタル)とType2(ホスト型)に分類KVMはType1に分類されることを理解する
KVM(Kernel-based Virtual Machine)Linuxカーネルに統合された仮想化機構/dev/kvmを介してハードウェア支援仮想化を利用CPUのVT-x/AMD-Vが必要
QEMUオープンソースの仮想マシンエミュレータKVMと組み合わせることで高速な仮想化KVMを有効化すると「qemu-system-x86_64 -enable-kvm」で使用
Libvirt仮想化APIを統一するライブラリvirsh, virt-manager, virt-installなどのツールが利用仮想マシン、ネットワーク、ストレージの統合管理が可能
virshlibvirtのCLI管理ツールvirsh start vm1, virsh list, virsh shutdownなど試験で頻出コマンド。状態遷移管理に注目
virt-managerGUIベースの仮想マシン管理ツールLibvirtをバックエンドに使用実務ではVNC接続設定や仮想ネットワーク確認で利用される
virt-install仮想マシンをCLIで作成するツールISO指定、ディスクサイズ指定など可能非対話的インストール方法を覚える
virt-viewer仮想マシンのコンソールを表示VNC/SPICE経由で仮想マシンに接続GUIアクセス用として出題される
virt-clone仮想マシンを複製するツール--original--name 指定でクローン作成UUID重複回避に注意
virt-sysprep仮想マシンの初期化ツールホスト名やSSHキーを削除して再利用可能化テンプレート作成時に使う
virsh snapshot-create-as仮想マシンのスナップショット作成--domain--nameを指定snapshot管理は試験頻出
virt-snapshotスナップショットを管理するツールLVMスナップショットやqcow2に対応バックアップ用途を理解
qcow2QEMU Copy-On-Write形式の仮想ディスクスナップショット・圧縮・AES暗号対応qemu-img infoで確認可能
qemu-img仮想ディスクイメージの作成/変換ツールqemu-img convert, create, resizeなどraw→qcow2変換を覚える
rawイメージシンプルなディスク形式高速だがスナップショット不可パフォーマンス重視用途に使う
virt-top仮想マシンのリソース使用状況確認ツールCPU, MEM, VIRTなどをリアルタイム表示実行時にvirsh listでVM名を確認しておく
virt-df仮想マシン内部のディスク使用量を表示virt-df -d <vm>ゲストOSにログインせず確認できる
virsh dominfo仮想マシン情報の表示CPU, メモリ, UUID, 状態など状態確認に必須
virsh autostart自動起動設定コマンドvirsh autostart <vm>起動時自動スタート設定を覚える
virsh dumpxml仮想マシンの定義をXMLで表示設定ファイルの編集・複製に利用XML直接編集は出題されやすい
virt-xmlXMLを編集するツールネットワークやディスク追加を自動化--editオプションを覚える
virt-logゲストOSのログ取得systemdジャーナルと連携トラブル解析用途
virt-copy-in / virt-copy-out仮想マシンのファイル入出力OSを起動せずにコピー試験で「ゲストにログインせず変更可能」を狙う問題あり
virt-cat仮想マシン内ファイル閲覧例: virt-cat -d vm1 /etc/hostname便利ユーティリティとして出題される
virt-rescue仮想マシン修復モード起動緊急時のファイル修復やfsck実行実践的知識として評価される
virt-builderOSイメージ自動生成ツールテンプレートから構築、virt-builder --listで一覧クラウド向け展開の下準備に利用
virt-resize仮想ディスクのサイズ変更オンライン・オフラインで利用可ルートパーティション拡張試験例あり
brctlLinuxブリッジ制御ツール仮想NICを接続するためのブリッジ作成brctl addbr br0で仮想ネットワーク作成
virsh net-define仮想ネットワーク定義XMLでネットワーク設定NAT/ブリッジの違いを理解
virsh net-start仮想ネットワーク開始virsh net-start default起動と永続設定を区別
virtio仮想化デバイスの標準ドライバI/O性能最適化virtio-blk, virtio-netが試験対象
SR-IOVSingle Root I/O VirtualizationNICを仮想関数(VF)として分割高速ネットワーク構成で出題あり
Nested Virtualization仮想マシン内で仮想化を動かす技術kvm_intel nested=1で有効化実験・CI環境で利用される
NUMANon-Uniform Memory AccessCPUソケット単位でメモリ最適化numactl設定と関係あり
XenオープンソースのType1ハイパーバイザDom0/DomU構成paravirtualizationとHVMの違いを理解
Dom0Xenの制御ドメインハードウェア直接アクセス可ゲスト(DomU)の管理を担当
DomUXenゲストドメインDom0経由で管理paravirt構成で高速動作
xlコマンドXen管理コマンドxl create, xl listなど古いxmより新しい管理体系
xenstoredXen設定デーモン設定情報を保持正常動作に必須プロセス
xenconsoledXenゲストコンソール管理xl console vm1で接続コンソール確認で出題される
virtio-blk仮想ブロックデバイス高速なI/Oを提供qcow2形式と組み合わせて使用
virtio-net仮想ネットワークデバイス通常のe1000より高速SR-IOVと対比で問われる
vhost-netカーネル空間でパケット転送virtio性能を更に向上ネットワーク最適化問題に出題される
PCI Passthrough物理デバイスをVMに直結GPU, NIC, USBなどvfio-pciモジュール理解が必要
vfio安全なデバイスアクセスを提供IOMMUと連携セキュリティ面も問われる
IOMMU入出力メモリ管理ユニットデバイスのメモリアクセス制御仮想化のハードウェア基盤知識として頻出
snapshot仮想マシン状態保存qcow2, LVMスナップショットに対応差分保存方式を理解
live migration稼働中VMを停止せず移動virsh migrateで実行ネットワーク共有ストレージ要件を問われる
cold migration停止後に移動ストレージコピー含む差を区別して覚える
virtlockd仮想マシンロック管理デーモン同時アクセス制御競合防止として出題される
virtlogd仮想マシンログ収集systemd統合ログ管理journalctl -u virtlogdで確認
KSM(Kernel Samepage Merging)重複メモリページを統合メモリ削減/sys/kernel/mm/ksm/設定を問う問題あり
ballooningメモリ動的再割り当てゲスト間で共有最適化メモリオーバーコミット対策
Overcommitメモリ・CPUの過剰割当実リソースより多く割当パフォーマンス低下の危険を理解
CPUピニング仮想CPUを物理CPUに固定NUMA最適化と関連vCPU配置最適化で出題あり
hugepages大きなページサイズで性能改善/proc/meminfo確認メモリチューニング関連問題あり
virt-whoサブスクリプション監視ツールRedHat系で使用試験範囲外に近いが知識として有用
XMLドメイン定義仮想マシン設定ファイルCPU, メモリ, NIC, ディスク設定<devices>要素理解が出題される
virt-sandbox安全なVM実行環境セキュリティ実験用途libvirt-sandboxパッケージで利用
vhost-scsiSCSIデバイス高速I/O仮想ディスクI/O最適化ストレージ最適化で出題される
tapデバイス仮想ネットワークI/Fqemuが自動生成ip linkで確認できる
NATネットワーク仮想マシンから外部通信可デフォルトネットワーク設定外部→内部通信は不可
ブリッジネットワークホストと同一セグメント参加brctl構成複数VMの相互通信に利用
macvtap高性能仮想NICSR-IOV代替パケット転送経路の制限あり
cloud-image事前構築されたVMイメージUbuntu Cloud Imageなどcloud-initと組み合わせ利用
ISOブート仮想マシン初回起動時の方法OSインストール用virt-installで指定
OVMFUEFI対応の仮想ファームウェアSecure Boot対応試験ではEFI設定に注目
TPM passthrough仮想TPMデバイス接続セキュリティ機構強化swtpmユーティリティと関連
SPICE仮想ディスプレイプロトコル高速・暗号化転送VNCとの違いを理解
VNC仮想マシンリモート表示デフォルト6000番台ポートセキュリティ設定を問われる
SELinux仮想環境保護に利用virt-sandboxやlibvirt制御に関与強制アクセス制御が出題される
AppArmorUbuntuでのセキュリティ制御仮想プロセス隔離プロファイル設定確認問題あり
Kdumpカーネルクラッシュダンプ取得仮想環境でのトラブル解析/etc/kdump.conf
Sysctlカーネルパラメータ制御仮想化時の最適化設定net.ipv4.ip_forward=1等出題あり
SELinux booleansセキュリティ例外制御setsebool virt_use_nfs on仮想環境との共存設定で頻出
virt-host-validateホストが仮想化可能か検査VTサポート等を自動確認インストール前チェックとして出題
libvirtdlibvirtデーモンsystemctl status libvirtd起動トラブル解析で問われる
qemu-kvmKVM実行バイナリCPUエミュレーション含むバージョン確認qemu-kvm --version
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第2章:Container Virtualization(コンテナ仮想化)

暗記のポイントは以下の通りです。

  • namespace・cgroup・capabilities の役割を正確に区別して理解する。
  • LXC/LXDの基本コマンドlxc launch, lxc exec, lxc profile)を習得。
  • Dockerfile命令の実行順序(FROM→RUN→CMD→ENTRYPOINT)を暗記。
  • Kubernetesの構成(Pod, Deployment, Service)の関係を理解しておく。
  • runc・containerd・CRI-Oなどランタイムの違いを明確に把握する。
用語意味主な使い方や構成要素試験でのポイント
コンテナ仮想化OSカーネルを共有する軽量仮想化LXC, Docker, Podmanなどが代表仮想マシンとの違いを理解する
Namespaceプロセスを分離するLinux機能PID, NET, MNT, UTS, IPC, USERなど各Namespaceの役割を暗記
Cgroup(Control Group)リソース制御を行う仕組みCPU, メモリ, I/O, ネットワーク制限/sys/fs/cgroup下で制御される
Capabilitiesroot権限を分割管理する仕組みCAP_NET_BIND_SERVICEなど不要な権限を削除してセキュリティ強化
seccompシステムコールをフィルタリングDockerはデフォルトでseccomp有効攻撃面縮小の代表技術
AppArmorプロセス制限のセキュリティ機構Ubuntuで利用されるDockerのプロファイル設定で出題あり
SELinuxコンテナアクセス制御RHEL/CentOS系で使用sVirtによるコンテナ隔離を理解
OCI(Open Container Initiative)コンテナ標準仕様runtime-spec, image-specなどruncはOCI準拠ランタイム
runcOCI準拠のコンテナ実行エンジンDocker, Podmanが内部で利用runc runで直接起動も可能
containerdDockerから独立したランタイムgRPC APIを提供Kubernetesでも標準採用
CRI-OKubernetes向け軽量ランタイムRed Hat系で採用CRI(Container Runtime Interface)実装の一種
Podmanrootlessコンテナ対応ツールDocker互換CLIを持つpodman ps, podman buildを覚える
BuildahOCIイメージビルダーDockerfile不要で構築セキュリティ重視環境で使用
Skopeoコンテナイメージ転送ツールskopeo copy docker://...直接レジストリ間コピー可能
LXC(Linux Containers)軽量コンテナ技術lxc-create, lxc-startで操作システムコンテナを扱う
LXDLXCを管理するデーモン/CLIlxc launch ubuntu:22.04 vm1ネットワーク/ストレージ統合管理
lxc-createコンテナ生成コマンド-t downloadでテンプレート指定設定ファイルパス /var/lib/lxc/<name>/config
lxc-start / lxc-stopコンテナ起動・停止lxc-start -n web状態管理を問う問題あり
lxc-attach実行中コンテナに接続rootでの操作時に使用SSH不要の管理手段として出題
lxc-lsコンテナ一覧表示lxc-ls --fancy状態・IP確認に使用
lxc-infoコンテナ詳細情報を表示PID, 状態, ネットワークなどコンテナトラブル時に有用
lxc-snapshotコンテナのスナップショット作成lxc-snapshot -n vm1差分保存を理解
lxc-copyコンテナ複製lxc-copy -n vm1 -N vm2テンプレート化に利用
lxc-destroyコンテナ削除lxc-destroy -n vm1クリーンアップで頻出
LXDプロファイルネットワークやストレージ設定を定義lxc profile show default自動設定テンプレート理解が重要
LXDストレージプールコンテナのディスク領域lxc storage listzfs/btrfs/lvmの違いを理解
LXDネットワーク仮想NICの設定lxc network create br0NAT/Bridgeモードを区別
lxc execコンテナ内でコマンド実行lxc exec c1 -- bashSSH代替として頻出
LXDクラスタ複数ノードの統合管理lxc cluster add高可用性環境で利用される
Dockerアプリケーションコンテナの代表格クライアント・デーモン構造LPIC-305では必須トピック
Docker Engineコンテナ実行基盤dockerd, containerd, runcで構成3層構造を暗記
dockerdDockerデーモンコンテナ実行リクエストを処理/var/run/docker.sockで通信
Docker CLIクライアント操作ツールdocker run, docker build, docker ps試験に多く出題
Dockerfileコンテナ構築用スクリプトFROM, RUN, CMD, COPY, ENTRYPOINT等命令の実行順序を理解
FROM命令ベースイメージ指定例:FROM ubuntu:22.04最初に記述する命令
RUN命令ビルド時にコマンド実行RUN apt update && apt install -y nginxイメージレイヤ生成の基礎
CMD命令コンテナ実行時コマンドCMD ["nginx", "-g", "daemon off;"]ENTRYPOINTとの違い理解
ENTRYPOINT命令コンテナの固定実行エントリENTRYPOINT ["python3"]CMDとの組み合わせ問題あり
COPY / ADDファイルをコンテナに追加COPY app.py /opt/ADDは圧縮展開対応
EXPOSE公開ポート指定EXPOSE 80実際の公開には-p指定必要
ENV環境変数設定ENV LANG ja_JP.UTF-8CMDから参照可能
WORKDIR作業ディレクトリ設定WORKDIR /appRUN, CMD, COPYの基準パスになる
VOLUME永続ボリューム宣言VOLUME /datadocker volumeと混同しない
LABELメタデータ設定LABEL maintainer="admin@example.com"監査・管理用途で使用
ARGビルド時変数指定ARG versionENVとの作用範囲の違いに注意
docker buildイメージを構築docker build -t web:v1 .Dockerfileのコンテキスト理解
docker runコンテナ起動docker run -d -p 80:80 nginxオプション-v, -e, --rmを覚える
docker ps稼働中コンテナ一覧docker ps -a状態管理に頻出
docker exec実行中コンテナ内でコマンド実行docker exec -it web bashデバッグ手法として出題
docker logsコンテナログ表示docker logs -f webトラブル解析に使用
docker networkネットワーク管理docker network lsbridge, host, noneを区別
docker volumeボリューム管理docker volume create data永続化戦略を理解
docker inspectコンテナ情報表示JSON形式で詳細出力設定・IP確認に使用
docker-compose複数コンテナ定義ツールdocker-compose up -dYAML形式での依存関係を理解
docker swarm分散オーケストレーションdocker swarm initKubernetesとの違いを理解
overlay networkSwarmのマルチホスト通信driver: overlay分散環境での通信理解
Kubernetes(k8s)コンテナオーケストレーション基盤Pod, Deployment, Serviceなど試験の「352.4」で重点出題
Podコンテナの最小実行単位同一ネットワーク・ストレージを共有YAML構成理解
DeploymentPod管理オブジェクトkubectl apply -f deployment.ymlローリングアップデートに注目
ServicePodへのアクセスを定義ClusterIP, NodePort, LoadBalancer通信経路の違いを理解
kubeletノード上のコンテナ管理エージェントPod状態監視・制御systemctl status kubeletで確認
kubectlKubernetes操作CLIkubectl get pods, logs, describe主要サブコマンド暗記
ConfigMap設定データ共有kubectl create configmap環境変数注入で利用
Secret機密データ格納Base64エンコードで保存パスワード管理試験例あり
HelmKubernetesパッケージ管理ツールhelm install nginx stable/nginxmanifest一括管理に使用
Docker Registryイメージ保存サーバDocker Hub, Harbor, GCRなどプライベートレジストリ構築が出題される
docker loginレジストリ認証docker login myrepo.local認証情報の保存場所を覚える
docker tagイメージに別名を付けるdocker tag web:v1 repo/web:latestPush前に使用する
docker pushイメージをレジストリに送信docker push repo/web:latest認証要件を問われる
docker pullイメージ取得docker pull ubuntu:22.04キャッシュ利用を理解
イメージレイヤDockerイメージの階層構造キャッシュ再利用で高速化レイヤ数を減らす最適化も出題あり
Rootlessモード非rootユーザーで実行Podmanなどでサポートセキュリティ重視環境で利用
OverlayFSコンテナファイルシステムイメージレイヤを重ねて実現書き込みは最上層
tmpfs一時的なメモリFSコンテナ内の一時領域パフォーマンス向上手法
systemd-nspawnsystemd組み込みのコンテナmachinectlで管理軽量LXC代替技術
chrootルートディレクトリ変更コンテナ原型技術コンテナ前史として理解
RootFSコンテナのベースファイルシステム/var/lib/docker/overlay2コピーオンライト構造を理解
Container Image実行可能な環境テンプレートDocker Hubなどで配布OCI規格に準拠
Restart Policyコンテナ再起動方針--restart=alwaysサービス稼働継続に関係
Healthcheckコンテナの状態監視HEALTHCHECK CMD curl -f localhost:80自動再起動の条件判定に使う
docker prune未使用リソース削除docker system prune -aクリーンアップで頻出
コンテナログ/var/lib/docker/containersに保存JSON形式ログ肥大対策も試験対象
Docker Context接続先Docker環境設定docker context use remote複数環境管理で出題される
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第3章:VM Deployment and Provisioning(VMの展開とプロビジョニング)

暗記のポイントは以下の通りです。

  • cloud-init のモジュール(write_files, runcmd, bootcmd)の順序を意識して暗記。
  • Packerの構成(builder / provisioner / post-processor)を正確に押さえる。
  • Vagrantfileの主要項目(provider / box / provisioner)とCLI操作(init, up, destroy)を確認。
  • Terraformの実行順序(init → plan → apply → destroy)を理解する。
  • OpenStack構成要素(Nova, Neutron, Cinder, Glance)を「名前+役割」で整理。
用語意味主な使い方や構成要素試験でのポイント
プロビジョニング仮想マシンや環境を自動構築するプロセスPacker, cloud-init, Terraform, Ansibleなど自動化フローと各ツールの役割を理解
ゴールデンイメージ再利用可能な標準OSイメージ企業標準設定済みのテンプレートcloud-initで初期化を行うのが一般的
Packerイメージ自動ビルドツールJSON/HCL定義で構築自動化LPIC-305の中心トピック
Packer Builderイメージ生成モジュールqemu, docker, virtualbox, amazon-ebsなど試験ではqemu-builderが対象
Packer Provisionerビルド中に設定を注入するモジュールshell, ansible, chef, puppet等shell provisionerが最頻出
Packer Post-processorビルド後の処理(圧縮・配布など)vagrant, docker-push, manifestなど“post-processors”の用途を覚える
Packer テンプレートビルド設定ファイル(JSON/HCL)builders, provisioners, variables等で構成“variables”で再利用性を向上
packer buildイメージ作成コマンドpacker build template.json実行時変数の上書きオプションに注意
packer validate設定の構文検証packer validate template.json本番実行前チェックに利用
packer inspectテンプレート内容確認使用される変数やbuildersを一覧表示誤設定防止に役立つ
cloud-init初回起動時の自動初期化システムユーザーデータを読み取り設定を適用VM展開の自動化で必須技術
User-Datacloud-initに渡す設定スクリプトYAML形式で記述/var/lib/cloud/下に保存される
cloud-configcloud-init設定フォーマット#cloud-configヘッダーで開始YAML構造とインデントを確認
cloud-init modulescloud-initが実行するフェーズ群bootcmd, runcmd, write_files など実行順序を理解する
write_filescloud-configモジュールファイル作成・編集を自動化権限設定も指定可能
runcmdcloud-configモジュール起動後にシェルコマンド実行サービス再起動設定などに使う
bootcmd起動直後に実行される処理/bootマウント前後の設定に利用実行タイミングを区別
ssh_authorized_keysSSHキー登録設定cloud-initで公開鍵登録初回ログイン認証の設定で出題
hostname設定cloud-initでホスト名指定hostname: server01ホスト固有化の定番
growpartディスクパーティション拡張デフォルトでcloud-initに含まれる自動リサイズ設定を理解
packagescloud-initでパッケージインストールpackages: [nginx, vim]apt/yumコマンドの自動実行
apt_upgrade起動時にアップデートを実施apt_update: trueセキュリティ維持に関連する
cloud-init status状態確認コマンド成功/失敗を確認できるデバッグで頻出
cloud-init clean初期化情報リセットイメージ再利用前に実行golden image作成時に重要
cloud-init logsログ確認/var/log/cloud-init.log起動時エラー解析で利用
Packer × cloud-initPackerでcloud-initを仕込む構成builderでISO指定しinitを有効化LPIC出題傾向の連携テーマ
Vagrant仮想環境をコードで定義・起動Vagrantfileを使用開発環境構築自動化ツール
Vagrantfile仮想環境の設定ファイルRuby構文で記述provider, box, provisionなどを記載
vagrant init新規環境初期化vagrant init ubuntu/jammy64初期ファイルを生成
vagrant up仮想マシンを起動providerに応じた起動方法を実行VirtualBox/Libvirt両対応を覚える
vagrant halt仮想マシン停止vagrant haltsuspendとの違い理解
vagrant destroy仮想マシン削除ディスク・設定ファイルを削除クリーンアップで使用
vagrant reload設定変更の再適用ネットワーク再構成などに利用provisionとの違い
vagrant sshVMにログインSSH自動接続を提供vagrant ssh-config確認も可能
vagrant boxベースイメージ管理vagrant box list/add/removeboxファイルのキャッシュ管理
vagrant snapshot状態保存・復元vagrant snapshot save dev1試験で出題されやすい操作
providerVagrantが利用する仮想化バックエンドVirtualBox, libvirt, Hyper-V等環境ごとの差異を理解
provisionerVM内部で設定を行う機能shell, ansible, puppet等Shell Provisionerが最重要
synced_folderホストとの共有フォルダ設定config.vm.synced_folder "./", "/vagrant"開発環境連携に使用
network設定Vagrantネットワーク構成private_network, public_networkなどNATとの違いを問われる
Vagrant Cloud公開boxの共有サービスhttps://app.vagrantup.com既製box取得場所を把握
Terraformインフラをコード化するツールHCL言語で構築を宣言的に記述“IaC”の代表格
HCL(HashiCorp Configuration Language)Terraform設定言語resource, variable, output宣言型構文を理解
terraform init初期化コマンドproviderプラグインを取得実行前に必須
terraform plan実行内容のプレビュー差分を確認できる破壊的変更の事前確認
terraform apply設定を適用実際にリソースを作成“plan”の後に実行する
terraform destroyリソース削除全インフラを削除クリーンアップ操作を問われる
terraform state状態管理ファイルterraform.tfstate手動編集は非推奨
terraform output変数出力結果を他ツールと連携可能スクリプト連携問題あり
providerTerraformのクラウド接続定義aws, openstack, libvirt等試験でlibvirt-providerを理解
resource作成対象を定義VM, network, storageなど宣言型構文を暗記
variable変数定義variable "region" {}環境間の使い回しに利用
output出力変数定義output "ip" {}apply後に確認可能
OpenStackオープンソースのクラウド基盤nova, glance, neutron, cinder等LPIC範囲では概要理解でOK
Nova仮想マシン管理サービスインスタンス作成・削除computeノード管理を担当
Glanceイメージ管理サービスOSイメージ登録・配布cloud-initと連携
Neutronネットワークサービス仮想NIC, ルータ, セキュリティグループ管理VLANとSDN理解
Cinderブロックストレージサービスボリューム作成・接続VM永続ストレージ管理
HorizonOpenStack Webダッシュボード管理UIを提供試験では管理操作名を問う問題あり
Keystone認証・認可サービストークンベース認証API認証の中心
SwiftオブジェクトストレージREST APIでアクセスcURL利用問題あり
CloudStack仮想クラウド管理プラットフォームGUIとAPIでクラウド管理OpenStackとの比較で出題される
Eucalyptus旧AWS互換クラウド基盤EC2/S3 API準拠歴史的知識として出題される
OpenNebula軽量クラウド管理ツールKVMと統合運用シンプル構成で人気
Ansible構成管理・自動化ツールYAML形式のPlaybookを利用エージェントレス動作を理解
PlaybookAnsibleの実行手順ファイルtasks, handlers, vars などを記述宣言型構造を把握
Inventory管理対象ホストリストINI/YAML形式ホストグループ化で利用
TaskAnsibleでの処理単位nameとモジュール指定冪等性の意味を理解
RoleAnsible構成分割単位roles/配下にtasks, varsなど配置再利用性向上で出題される
moduleAnsibleの実行モジュールapt, copy, file, serviceなど各モジュール用途を暗記
cloud-init × Ansible初期設定後に構成適用SSHキー経由で連携現場では頻用される組み合わせ
CI/CD継続的インテグレーション/デリバリJenkinsやGitLab CIと連携自動デプロイ基礎知識として出題
cloud-image事前構築済みクラウドOSイメージUbuntu Cloud Image等cloud-initプリインストール済み
Metadata Serviceクラウド環境での設定取得API/latest/meta-data/経由で情報提供cloud-initが内部的に利用
NoCloudローカルISO等からcloud-init設定読込メタデータをCD-ROM経由提供オフライン環境で使われる
IgnitionFedora CoreOS向け初期化システムJSON定義形式cloud-initとの違いを把握
KickstartRHEL系自動インストール設定.ksファイルで記述cloud-init以前の方式
PreseedDebian系自動インストール設定d-i構文で回答定義Kickstartとの対比で出題あり
MAAS(Metal as a Service)物理サーバ自動構築基盤PXEブートでOS展開Ubuntu環境で利用される
PXE(Preboot eXecution Environment)ネットワーク経由でOSブートDHCP/TFTP連携cloud-initと併用される
autoyastSUSEの自動インストールツールXML構成ファイルで設定他ディストリとの差異を理解
virt-builder仮想イメージ自動生成ツールOSテンプレートから即時構築cloud-init導入と併用される
virt-sysprep仮想マシン再利用用初期化ホスト名・鍵削除等golden image化で使用
仮想マシンテンプレートVM複製元の標準イメージvSphere, KVM等で利用cloud-init組込済みが主流
Infrastructure as Code(IaC)コードによるインフラ定義概念Terraform, Ansibleが該当LPICでの理論問題に注意
YAML設定ファイル記述形式インデントで階層を表現Ansibleやcloud-initで使用
JSON軽量データ交換形式Packer, Ignitionで使用シンタックスエラーに注意
REST APIHTTPベースの操作インターフェースOpenStack, CloudStackが採用GET/POSTリクエスト理解
CLIツールコマンドラインでの自動化openstack-cli, ansible, terraform等GUIとの違いを理解
GitリポジトリIaC構成のバージョン管理Terraform, Ansible連携チーム運用で必須
secrets管理機密情報の安全保管Vault, AWS Secrets Manager等IAMと併用理解が必要
idempotent(冪等性)同じ処理を何度実行しても結果が一定Ansibleの基本原則試験の定義問題で出題あり
再利用性一度作った定義を他環境で使うことPacker・Terraform共通の目標IaC全体の設計思想として問われる
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その他参考情報

LPIC305 に関する参考情報を以下に記載します。

LPIC-3 305 試験概要(Version 3.0対応)

項目内容
試験コード305-300
試験時間90分
試験提供機関Pearson VUE / Linux Professional Institute (LPI)
問題数60問(選択式+記述式)
認定の有効期間5年
前提条件LPIC-2 の認定を保持していること
試験テーマVirtualization and Containerization(仮想化およびコンテナ技術)
試験バージョンVersion 3.0
注意事項旧LPIC-3 304(仮想化+高可用性)はVersion 3.0から分割され、305(仮想化/コンテナ)と306(高可用性/ストレージ)に改定されました。
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出題範囲(Topic別・重み付き)

トピック主な内容重み(試験での比率目安)
351:Full Virtualization仮想化の基本概念、Xen、QEMU/KVM、libvirt、VMイメージ管理、スナップショット、リソース制御約25
352:Container Virtualizationコンテナ仮想化の概念、LXC、Docker、Podman、オーケストレーション(Kubernetes など)約25
353:VM Deployment and Provisioningクラウド管理ツール(OpenStack など)、VM 展開・プロビジョニング、自動構成約10

※比率の目安は当方が受験した際の出題率を目安にしています。

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各トピックの補足説明・要注意点

トピック主な内容・キーワード
351:Full Virtualization(フル仮想化)– ハイパーバイザの種類(Type1/Type2)
– Xen、QEMU/KVM、libvirt による仮想化管理
virsh コマンド、仮想ネットワーク設定、ブリッジ接続
– スナップショット・クローン・ライブマイグレーションの仕組み
– 仮想マシンのリソース制御(CPUピン留め・メモリ制限)
352:Container Virtualization(コンテナ仮想化)– コンテナ技術の基礎:namespace、cgroups、chroot
– LXC/LXD の操作と設定、コンテナネットワーク
– Docker/Podman の仕組み(イメージ/レイヤ構造/レジストリ)
– docker-compose、Kubernetes の基本概念
– コンテナの永続化とストレージ管理
353:VM Deployment and Provisioning(仮想マシン展開・プロビジョニング)– クラウド管理ツール(OpenStack, oVirt, cloud-init 等)
– 自動展開・構成管理(Ansible, Terraform 連携)
– 仮想マシンテンプレートとプロビジョニング手順
– メタデータ・ユーザデータの活用(cloud-init)
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