【Linux】sarコマンド使用方法・各項の見方(リソース使用率の確認)

sarコマンド使用方法・各項の見方

>>キャパシティープランニングとは

キャパシティープランニングを行う際、今後構築しようとしているシステムがどのくらいの
リソースを必要とするのか確認するためにも、現在のリソースの使用状況を
確認する必要があります。

そこで、役に立つコマンドの1つである sarコマンドを今回紹介いたします。

キャパシティープランニングについては以下の記事で紹介しているので確認してみてください!

>>sarコマンドについて

sarコマンドとは

sarコマンドは、システムの統計情報を取得するコマンドです。
名前は、System Admin Reporterの頭文字をとったものになります。

sarコマンドは過去の情報に遡って情報を確認することが出来ます。

sarコマンドは、sysstatのパッケージに含まれており、システムの状況を集める
sadcコマンドと、収集したデータを表示するsarコマンドなどで構成されています。

sysstatサービスが有効になっていると、sadcコマンドがcronの設定によって定期的実行され、
ログを収集します。
収集したログは「/var/log/sa/sa日付」ファイルに書き込まれます。
この「/var/log/sa/sa日付」ファイルに書き込まれたログを、sarコマンドで確認することが出来るのです。

sarコマンドの書式

sarコマンドは以下の書式で使用します。

sar 「オプション」「表示回数(秒)」「回数」

sarコマンドのオプション

sarコマンドのオプションについて説明します。

オプション説明
-Aすべての項目を表示する。
-bディスクのI/O と転送率の情報を表示。
-cプロセスの生成回数を表示。
-f ファイル名ログファイルを指定して表示する。
※指定しない場合は、当日のログファイルが利用される。
-dブロックデバイスの状況を表示。
-n DEVネットワークインターフェイス関連の情報を表示する。
-n EDEVネットワークインターフェイス のエラーの情報を表示する。
-qQキューの長さとロードアベレージの状態を表示。
-r物理メモリの使用状況を表示する。
-uシステム全体としてのCPU 利用状況を表示する。
-Rメモリの統計情報を表示する。
-Sスワップ領域の使用状況を表示する。
-Wスワップの情報を表示する。

「-b」オプション使用時の各項目の見方

ディスク関連情報表示するオプション「-b」を使用したときに
表示される項目の見方について記載します。

以下では、-fオプションを使用して、ログファイルを/var/log/sa/sa01に指定しています。

[root@localhost test]# sar -b -f /var/log/sa/sa01
Linux 4.17.11 (localhost.localdomain) 	2022年09月01日 	_x86_64_	(1 CPU)

00時00分01秒     (1)tps   (2)rtps   (3)wtps (4)bread/s (5)bwrtn/s
00時10分01秒      0.16      0.03      0.13      0.76      2.05
00時20分01秒      0.13      0.03      0.10      0.35      1.24
00時30分01秒      0.11      0.01      0.09      0.40      1.21
00時40分01秒      0.09      0.00      0.09      0.00      1.22
00時50分01秒      0.07      0.01      0.06      0.15      0.83
平均値:       1.89      1.49      0.40     79.06     39.90
[root@localhost test]# 
オプション説明
tpsI/O転送リクエスト数(数/秒)
rtpsデバイス読み取りリクエスト数(数/秒)
wtpsデバイス書き込みリクエスト数(数/秒)
bread/sデバイスから読み取られたブロック数(数/秒)
※デバイスから読み取られたデータの合計量のこと。
bwrtn/sデバイスに書き込まれたブロック数(数/秒)
※デバイスから書き込まれたデータの合計量のこと。

「-n DEV」オプション使用時の各項目の見方

ネットワークインターフェースの送受信パケットに関する情報を表示する「-n DEV」オプションを
使用したときの表示結果の見方について記載します。

以下が実際に「-n DEV」オプションを使用したときの出力です。

[root@localhost test]# sar -n DEV
Linux 4.17.11 (localhost.localdomain) 	2022年09月13日 	_x86_64_	(1 CPU)

00時40分01秒     IFACE   rxpck/s   txpck/s    rxkB/s    txkB/s   rxcmp/s   txcmp/s  rxmcst/s
00時50分01秒     ens33      0.10      0.08      0.01      0.01      0.00      0.00      0.00
00時50分01秒    virbr0      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00
00時50分01秒        lo      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00
平均値:      ens33      0.11      0.07      0.03      0.01      0.00      0.00      0.00
平均値:     virbr0      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00
平均値:         lo      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00
平均値:  virbr0-nic      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00
[root@localhost test]# 
オプション説明
IFACEネットワークインターフェース名
rxpck/s受信パケット数(数/秒)
txpck/s送信パケット数(数/秒)
rxkB/s受信キロバイト数(数/秒)
txkB/s送信キロバイト数(数/秒)
rxcmp/s圧縮パケットの受信バイト数(数/秒)
txcmp/s圧縮パケットの送信バイト数(数/秒)
rxmcst/sマルチキャストパケットの受信パケット数(数/秒)

「-n EDEV」オプションを使用時の各項目の見方

sarコマンドの「-n EDEV」オプションは、ネットワークインターフェースの送信、受信エラーパケットに関する
情報を出力します。

以下は実際に「-n EDEV」オプションを使用したときの出力です。

[root@localhost test]# sar -n EDEV
Linux 4.17.11 (localhost.localdomain) 	2022年09月13日 	_x86_64_	(1 CPU)

00時40分01秒     IFACE   rxerr/s   txerr/s    coll/s  rxdrop/s  txdrop/s  txcarr/s  rxfram/s  rxfifo/s  txfifo/s
00時50分01秒     ens33      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00
00時50分01秒    virbr0      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00
00時50分01秒        lo      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00
00時50分01秒 virbr0-nic      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00
平均値:      ens33      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00
平均値:     virbr0      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00
平均値:         lo      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00
平均値:  virbr0-nic      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00      0.00
[root@localhost test]# 
オプション説明
IFACEネットワークインターフェース名
rxerr/sエラーパケット受信数(数/秒)
txerr/sエラーパケット送信数(数/秒)
coll/sコリジョン発生数(数/秒)
rxdrop/sバッファ不足で破棄された受信パケット数(数/秒)
txdrop/sバッファ不足で破棄された送信パケット数(数/秒)
txcarr/s送信時のキャリアエラーパケット数(数/秒)
rxfram/s受信時のフレーム同期エラーパケット数(数/秒)
rxfifo/s受信パケットのFIFOオーバーラン数(数/秒)
txfifo/s送信パケットのFIFOオーバーラン数(数/秒)

「-u」オプション使用時の各項目の見方

sarコマンドの「-u」オプションは、システム全体としてのCPU使用率を表示します。

以下は「-u」オプション実行時の出力です。


[root@localhost test]# sar -u
Linux 4.17.11 (localhost.localdomain) 	2022年09月13日 	_x86_64_	(1 CPU)
00時40分01秒     CPU     %user     %nice   %system   %iowait    %steal     %idle
00時50分01秒     all      0.18      0.00      0.23      0.00      0.00     99.58
01時00分01秒     all      1.30      0.00      0.38      0.01      0.00     98.32
平均値:      all      0.44      0.03      0.39      0.05      0.00     99.08
[root@localhost test]# 
オプション説明
%userユーザープロセスの割合。
※ユーザー レベル (アプリケーション) で実行中に発生した CPU 使用率の割合。
%nicenice値つきのプロセスの割合。
※適切な優先度でユーザー レベルで実行中に発生した CPU 使用率の割合。
%systemシステムプロセス(カーネル)の割合。
※システム レベル (カーネル) での実行中に発生した CPU 使用率の割合。
%iowaitI/O待ち時間の割合。
※システムが未処理のディスク I/O 要求を持っていた間に、
1 つまたは複数の CPU がアイドル状態だった時間の割合。
%steal仮想マシンに使用された時間の割合。
※ハイパーバイザーが別の仮想プロセッサにサービスを提供している間に、
仮想 CPU が意図しない待機に費やした時間の割合。
%idleアイドル時間の割合。
※1 つまたは複数の CPU がアイドル状態で、
システムに未解決のディスク I/O 要求がなかった時間の割合。

「-r」オプション実行時の各項目の見方

「-r」オプションは物理メモリの使用状況を表示します。

実際に「-r」オプションを使用したときに出力は以下です。

[root@localhost test]# sar -r
Linux 4.17.11 (localhost.localdomain) 	2022年09月13日 	_x86_64_	(1 CPU)

00時40分01秒 kbmemfree kbmemused  %memused kbbuffers  kbcached  kbcommit   %commit  kbactive   kbinact   kbdirty
00時50分01秒     90124    886732     90.77         0    150748   4096344    133.21    343676    339784         0
平均値:      89377    887479     90.85         0    137018   4052418    131.78    326290    347255         5
[root@localhost test]# 
オプション項目
kbmemfree空いている物理メモリのサイズ。
kbmemused使用中の物理メモリのサイズ。
%memused物理メモリの使用率。
kbbuffersバッファキャッシュのサイズ。
kbcachedページキャッシュのサイズ。
kbcommit現在必要なメモリの総量。
※現在のワークロードに必要なキロバイト単位のメモリ量。
これは、メモリ不足が発生しないことを保証するために必要な
RAM/スワップの推定量。
%commitメモリの総量(RAM + スワップ)に対する現在のワークロードに
必要なメモリの割合。
kbactiveアクティブなメモリ。
※キロバイト単位のアクティブなメモリの量 (最近使用され、絶対に必要でない限り通常は再利用されないメモリ)。
kbinactインアクティブなメモリ。
※キロバイト単位の非アクティブなメモリの量
(最近あまり使用されていないメモリ。他の目的のために再利用される可能性が高いメモリ)。
kbdirtyディスクへの書き戻しを待機しているメモリの量 (キロバイト単位)。

「-S」オプション実行時の各項目の見方

「-S」オプションは、スワップ領域の使用状況を表示します。

下記が「-S」オプションを使用したときの出力結果です。

[root@localhost test]# sar -S
Linux 4.17.11 (localhost.localdomain) 	2022年09月13日 	_x86_64_	(1 CPU)

00時40分01秒 kbswpfree kbswpused  %swpused  kbswpcad   %swpcad
00時50分01秒   2059088     39084      1.86      5300     13.56
01時00分01秒   2059088     39084      1.86      5316     13.60
平均値:    2047646     50526      2.41      6368     12.60
[root@localhost test]# 
オプション項目
kbswpfree空いているスワップ領域のサイズ。
kbswpused使用しているスワップ領域のサイズ。
%swpusedスワップ領域の使用率。
kbswpcadスワップアウト後にまだスワップにキャッシュしている値。
%swpcadスワップ資料量に対するキャッシュされたスワップメモリの使用率。

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